外国人医療をささえる人づくりとして、医療通訳者の養成、外国人患者対応講座、人権・多文化共生に関する研修を行いました。
実施体制:重野・高嶋・前田
財源:自主事業、委託(滋賀県多言語医療ネットワーク、岐阜県、京都大学、京都府、京都市医療通訳派遣事業、他)
近年、精神疾患に関連した通訳依頼が増えています。これまでこの分野は医療分野であるものの、通訳の経験値や専門知識、専門的対応が必要なことからセン ターでは対応していませんでしたが、優秀で、経験豊富な通訳人材を確保できたため、派遣を行う体制が整ってきました。この分野は、まだ行政通訳や民間の通 訳団体では対応していない分野でもあり、派遣ニーズは高いと思われます。より専門性を高めるため今年度は専門研修を行いました。
開催日:2012年9月17日(祝)13:00-17:00、25日(火)10:00-15:00
協力:こころの健康増進センター
対象:医療保健分野での通訳経験がある方、又は通訳者として活動している方
定員:30名
対象言語:中国語 4名、ポルトガル語 5名、英語 5名 の参加がありました。
日時 |
講義内容 |
2012年9月17日 |
第1講義「精神保健分野の医療通訳者の基礎知識と心構え」 |
第2講義「患者を知る、疾患を知る」 |
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2012年9月25日 |
第3講義「精神保健に関わる施設と制度」 制度の知識-精神保健に関わる医療保険・社会福祉制度 講師:京都府立洛南病院,精神保健福祉相談員 池宮遊平 |
第4講義「医療通訳のための実践技術」 |
◆参加者の声
・それぞれの講義がとてもよかったです。
・専門性の高い大変な仕事だと思いました。
・いろいろな制度や相談するところがあり、もっと勉強する必要性を感じました。とてもよい講座ありがとうございました。
・対応の仕方が通常の疾患とは違うので技術以外に注意が必要だと感じました。
精神保健分野医療通訳者養成講座でご協力いただいた京都府立洛南病院へ、多文化通訳派遣事業の通訳者・事務局スタッフで病院見学へ行きました。
洛南病院は、京都府下の精神科救急医療システムの基幹病院としての役割を果たしている病院です。実際に病棟を見学し、担当者の方からお話を聞きました。
精神科はちょっと特殊な部分も多いですが、病棟を見学したり、説明を聞いたりする機会はないため、通訳の依頼がきたときに事前に予測がしにくかったり、当日通訳者が状況についていけない、ということも予想されます。
そのため、今回洛南病院へ研修と見学を受け入れていただくよう、お願いしました。
参加した通訳者からは、「これから通訳に行く際、実際事前に精神科病棟がどんなところであるか、見ているのと、見ていないのでは安心感が大きく違う」といった声が聞かれました。
日時:2012年10月30日(火)14:00−16:00
場所:京都府立洛南病院
京都市医療通訳事業の現任スタッフ向けの研修を武田総合病院で実施しました。事前に通訳者に、通訳がしにくいところ、研修で取りあげたい内容についてヒアリングを行い、今年は医仁会武田総合病院の放射線科の義歯、歯科医師の方にご協力いただきました。
また、この研修を今後の通訳活動につなげていくため、各通訳者へのフィードバックを後日、メールで行いました。
開催日:2012年2月20日
開催場所:医仁会武田総合病院
医療通訳者として活動するために必要な基礎を学ぶと共に実践力を身につけることを目指した講座です。1日目は医療通訳者として必要な基礎知識や姿勢(通 訳倫理)、通訳技術を座学として学び、2日目は表現力、対応力をつけるためにロールプレイ(模擬通訳)を実施しました。
とても軽快なトークで始まった本條先生の「医療通訳技術」の講義、楽しく、笑いあふれる授業でした。楽しく学ぶことこそが上達の「コツ」であることを教えていただきました。楽しいトークショーみたいなひとときでした!
第一講義「さあ医療通訳をはじめよう!・・その前に」 講師:重野亜久里
第二講義「通訳技術を学ぶ」講師:本條勝彦 Ph.D.
理系英語教育・通訳・翻訳・プレゼン指導
大阪府立大学理学部大学院科学英語専門教員
同志社大学大学院・関西大学大学院・大阪大学・神戸市外国語大学非常勤講師
第三講義「医療通訳に必要な医療知識」講師:高嶋愛里
多文化共生センターきょうと 医療通訳コーディネイター 看護師
言語別「通訳ロールプレイ」
二日目の後半は京都市国際交流協会の和風別館で各言語にわかれてロールプレイの講義を行いました。畳の上に座ってまるで寺子屋みたいな感じで午後の講座は 始まりました。本来ならちょっと緊張してしまうロールプレイも畳に座って普段より互いの距離がちょっと近くなる和室のためか、緊張しつつも、笑いあり、 つっこみありの楽しいロールプレイになりました。参加者の皆さんも真剣に、互いの通訳に耳をかたむけ、講師にも熱心に質問をしていました。和室になれてい ない方もたくさんいましたが和室での講座をそれなりに楽しみ(ちょっと足がしびれましたが)参加者にはなかなか好評だったように思います。
第四講義「外国人医療における異文化コミュニケーション」講師:安藤幸一
大手前大学総合文化学部教授、国際交流センター副センター長
第五講義「医療通訳に必要な基礎知識Ⅱ」講師:高嶋愛里
第六講義「医療現場において通訳者はどのように振る舞えばいいのか?」
医療通訳倫理 講師:重野亜久里
多文化共生センターきょうと代表 医療通訳コーディネイター
開催日:2012年12月8日(土),9日(日)
京都市医療通訳派遣事業の通訳スタッフの選考を行います。今年度は中国語の通訳者のみ、募集しました。 受験者は筆記と面接で一次選考を行い。最終選考者は通訳ロールプレイを行いました。
今年はとても優秀な方が多く、審査員も選考に苦労しました。
12月16日(日) 午前10時〜午後5時
内容 一次テスト 筆記、面接(3グループに分けて実施)
二次テスト 通訳テスト
選考会応募者 14名(受験者 12名)
最終選考者 7名
合格者 2名
選考に通過した2名を対象に、1月中旬より病院での研修をスタートしました。
コーディネイター、現任通訳者の指導のもと、それぞれ月に3回程度研修を行っています。
開催時期:2013年1月〜 実施:医仁会武田総合病院
外国人患者対応時のポイントなどを医療関係者を対象に研修をしています。
2012年から「医療者向け外国人患者対応テキスト」をベースにして、外国人患者の医療保健に関する課題や病院内の各場面での外国人患者対応のポイント、わかりやすい日本語についてなどの講義しました。
京都大学医学部附属病院看護部の看護職員を対象とした医療英語の講座は3年目の最終年度でした。 これまでの総まとめとしての医療英語だけでなく異文化理解やコミュニケーションなどを取り入れた研修を行いました。
開催時期:2012年7〜12月(週1回)全20回
講師:重野、高嶋、渡辺リンダ、小松真奈美、ゲスト数名
京都府立医科大学病院の職員、大学教員を対象とした人権啓発研修として、外国人患者の医療保健に関する課題や病院内の各場面での対応のポイントなどについ て講義を行いました。
開催時期:2013年2月19日(火)、21日(木)
講師:高嶋、重野
・滋賀県医療通訳ネットワーク(済生会滋賀県病院)外国人間患者対応研修 3/13
・滋賀県医療通訳ネットワーク(長浜赤十字病院)外国人間患者対応研修 3/4
・ナースのためのぷち通訳利用ミニセミナー 京都大学医学部附属病院 2/22
・外国人患者対応研修 京都府立医科大学 2/19 2/21
・滋賀県医療通訳ネットワーク(公立甲賀病院)外国人患者対応研修 1/30
・千里金襴大学看護学科 9/12
・神戸市医師会看護専門学校 9/11
・京都大学医学部付属病院 Ask me!ナース養成プラン 7〜11月
・京都橘大学看護学科 7/9、13、20、11/3
センターで「医療通訳テキスト実学・実技・実践」「外国人患者の接し方」既刊の書籍の内容の大幅な改定を行ないました。「医療通訳テキスト実学・実技・実践」は第3改訂「外国人患者の接し方」第2改訂版として出版しました。
また、医療通訳講義や医療従事者向けの研修ではテキストをベースに研修プログラムをたてたり、教材として使用しました。
前田
◆ポルトガル語・スペイン語医療通訳者の募集と評価
研修会
会場:公立甲賀病院(滋賀県甲賀市水口町鹿深3-39)
2013年2月16日(土)13:00〜17:00 第1回 医療通訳の基礎1
2013年2月17日(日)13:00〜17:00 第2回 医療通訳の基礎2
2013年2月24日(日)13:00〜17:00 第3回 通訳技術
選考面接 2013年2月25日(月)14:00〜
会場:公立甲賀病院(滋賀県甲賀市水口町鹿深3-39)
昨年度研修、選考を行った医療通訳者のスキルアップ研修を行いました。
2013年2月24日(日)13:00〜17:00
講師:重野、高嶋、胡、野中モニカ
◆病院職員研修会(滋賀県多言語医療ネットワーク協議会)新規
2012年4月から病院での通訳者の雇用、多言語医療受付支援システムM-cube、ナースのためのぷち通訳のシステム導入を行いました。そこで、機材を使っていただけるよう に、各病院の看護師を対象として、外国人患者さま対応時の基礎知識についてのレクチャーと、通訳者不在時に看護師のコミュニケーションサポートをする機材の利用体験や研修を行いました。
3病院で合計70名ほどの看護師の方が参加され、ほとんどの人が、今後機材を使ってみたいという回答でした。
開催時期:
・公立甲賀病院 1月30日
・済生会滋賀県病院 3月13日
・長浜赤十字病院 3月4日
講師:高嶋、重野
「滋賀県多言語医療ネットワーク協議会」
公立甲賀病院、済生会滋賀県病院、長浜赤十字病院の3 病院が中心となり「滋賀県多言語医療ネットワーク協議会」を設立し、2012 年6 月より医療通訳者の病院配置、 外国人患者様に向けて多言語対応システム機器の設置を行っております。
合計:2253件(2012年4-12月)
公立甲賀病院:1030件
済生会滋賀県病院:481件
長浜赤十字:742件
岐阜県からの委託を受け、医療通訳コーディネイターと医療通訳者を雇用し、計51時間の研修を行いました。その後医療通訳次週として岐阜県下4つの医療機関で通訳者が勤務し、外国人患者のサポートを行いました。
委託:岐阜県「医療通訳者育成事業委託業務」(緊急雇用創出事業臨時特例基金事業)
時期:2012年10月30日〜2013年2月28日
◆採用・研修まで
10月26、31日に通訳者の面接を行い、ポルトガル語1名、タガログ語1名、中国語3名、医療通訳コーディネイター1名の計6名の採用しました。
11月1、2日に医療通訳コーディネイター研修を、11月5〜16日の期間に48時間の医療通訳研修を行い、その後通訳者は岐阜県下の医療機関で実習生として通訳業務を行いました。
◆実習期間の通訳利用
実習期間:2012年11月19日〜2013年2月28日
稼働日数:55日
通訳発生件数:86件
通訳対応人数 :57人
◆医療通訳コーディネイター研修
日時:2012年11月1日、2日
場所:多文化共生センターきょうと、医療通訳派遣医療機関
内容:医療通訳現場の見学、医療通訳コーディネイトOJT研修
◆医療通訳研修
日時:2012年11月5〜16日(6時間×8日間)
場所:岐阜県国際交流センター、大垣市民病院(見学実習)他
内容:
科目 |
詳細 |
時間 |
場所 |
通訳知識 |
医療通訳基礎 |
6時間 |
岐阜県 国際交流 センター |
解剖学、病態生理、医療制度、検査 |
12時間 |
||
通訳技術 | 総論、通訳技術(各言語別) | 9時間 | |
通訳ロールプレイ | 場面を想定した実践ロールプレイ | 12時間 | |
グループワーク |
言語グループでのグループワーク |
9時間 | |
実習前説明 |
3時間 |
||
見学実習 | 県内、近隣県の医療通訳の取り組み(医療機関訪問) | 6時間 | |
病院実習 |
通訳実務実習 |
11月下旬-3月 | 各協力病院 |
中間研修 | 1月中旬 |
岐阜県 国際交流 センター |
講師:
通訳総論
重野亜久里
通訳技術
野中モニカ ポルトガル語翻訳、司法通訳、通訳案内士
FM COCOLO ラジオパーソナリティ
後藤美樹 フィリピン語通訳者、行政通訳、司法通訳
特活)多文化共生リソースセンター東海
フィリピン人移住者センター(FMC)
シャオチェン 中国語通訳人
FM COCOLO ラジオパーソナリティ、有)Jasmin's 代表)
医療知識
渡辺恵美 診療放射線技師
松尾 匠 医事
原 祐樹 臨床検査技師
藤田紀見
高嶋愛里 特活)外国人医療センター事務局長、看護師
実習指導
重野、高嶋、前田、胡
(岐阜県岐阜市野一色4-6-1)
対応曜日:毎週火・金曜日 対応時間:9:00-16:00
対応言語:中国語・タガログ語・ポルトガル語
(岐阜県多治見市前畑町5丁目161)
対応曜日:毎週水・木曜日 対応時間:9:00-15:00
対応言語:ポルトガル語
(岐阜県岐阜市長良1300-7)
対応曜日:毎週水曜日 対応時間:9:00-16:00
対応言語:中国語
(岐阜県羽島郡笠松町田代185-1)
対応曜日:毎週火・木曜日 対応時間:9:00-16:00
対応言語:中国語
(岐阜県羽島郡笠松町田代185-1)
対応曜日:毎週火・木曜日 対応時間:9:00-16:00
対応言語:中国語
医療通訳関連
・長崎県国際協会 医療通訳ボランティ通訳実技テスト 3/7-8
・京都市医療通訳派遣事業 現任者研修 2/21
・滋賀県医療通訳ネットワーク 滋賀県医療通訳研修 2/16-17 24-25
・医療従事者向け外国人患者対応研修会 新潟県国際交流協会 1/27-28
・岐阜県 医療通訳者育成事業 11/1-2/28 全 39回
・京都府 自立支援通訳育成事業 11/7、14、28、12/6、13
・滋賀県多言語医療ネットワーク 9/15、16、22、23
・東海・北陸中国帰国者支援・交流センター 医療通訳講座 7/30
・中国・四国中国帰国者支援・交流センター 医療通訳養成講座 7/27
・びわ湖国際医療フォーム 7/14
・長崎県国際交流協会 医療通訳人材育成講座 6/22 7/6
人権・多文化共生関連
・京都市人権文化推進懇話会 3/25
・ 「多文化共生社会とは何だろう」 湖南市人権教育研究大会 2/1
・京都市人権文化推進懇話会 6/29
・大東市在日外国人教育研究協議会 7/27