本年度は、事業規模や担当者の業務量の偏りをなくすため、新しい事業区分や体制を導入したいと考えている。「講師派遣事業」と「人材育成事業」をあわせ、外国人を支援する人をサポートする意味を込めた「さぽひと事業」改称し、実施して行く。またapakabarや外国人医療カンファレンスなど、多文化内で活動しているグループの活動支援などを新たに「ぐるさぽ」としてまとめる。
今年度は「ことさぽ」、「ぷちつう」、「さぽひと」、「ぐるさぽ」、「翻訳」、「事務局」の5つの事業区分で行う。また、事業実施にあたっては、事業単位での担当制をやめ、企画事業部と事務管理部という、業務単位での担当制で5つの事業を実施して行きたいと考えている。
ぷちつう(
ICTを活用した多言語医療支援事業) ※計画詳細はこちら
多言語医療システムの研究開発、開発システムの運用、利用促進や、今年度は特に、システム改良にも力をいれていく。昨年度から新たに開発している「ナースのためのぷち通訳」、「ビデオ電話通訳システム You tran」の導入や、「多言語医療受付支援システム」の設置を行う。今年度は、京都大学医学部附属病院(ナースのためのぷち通訳)、滋賀県下の3病院(ナースのためのぷち通訳、You
tran)の導入が決定している。これらの開発は主に、和歌山大学システム工学部デザイン情報学科吉野研究室と共に行う。
委託、共同研究では昨年に引き続き、滋賀県の「多言語医療ネットワーク協議会」、「知識・言語グリッドに基づくアジア医療交流支援システムの研究開発(NEC、NICT(情報通信研究機構)、NAIST(奈良先端科学技術大学院大学)との共同事業」を行う。本年度、「ぷちつう」事業は昨年同様センターで最も力を入れていく事業となる。
ことさぽ(医療通訳派遣事業) ※計画詳細はこちら
今年で京都市医療通訳派遣制度は10周年を迎える。これまでの事業を振り返り、これからの事業のあり方を考えて行くため、今年度は講座と共に公開フォーラムを開催したい。 また、昨年度実施した事業評価アンケート結果や利用者の要望や意見コメントを元に事業の見直しを図っていきたいと考えている。通訳コーディネイトについては、これまでは現場コーディネイトと派遣事務、研修と担当を分けていたが、複数のコーディネイターで担当する。複数人数でコーディネイトを行うことで、コーディネイター人材の育成、多角的な視点で事業や通訳者を見ること、現場のコーディネイト業務のマニュアル化を進め、通訳事業の見直し、組み替えを行いたいと考えている。
多文化医療通訳派遣では、昨年に依頼が多かった精神科に特化した通訳研修を行いたいと考えている。
さぽひと(講師派遣事業、人材育成事業)
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今年度は昨年に引き続き、滋賀県の「多言語医療ネットワーク協議会」を構成する医療機関での研修をはじめ、九州、広島などの各地域の医療通訳研修を担当する。今年度は単発の研修よりも、実際の現場で通訳している現任者の継続的な研修が中心となる。
一昨年度、昨年度にこれまでの研修のノウハウの活かした医療通訳に関するテキストを作成してきたが、今年度も引き続き、医療通訳、外国人医療に関するテキストなどを執筆、発行していきたい。