事業概要
同行の医療通訳者は即時の派遣が難しく、いつでも、どこでも、どの言語でも対応することは不可能です。そこで、ICTのさまざまな技術を活用し、医療場面での多言語支援を行うシステムの開発、運用を行います。
医療現場での多言語コミュニケーションを支援するツールの開発を行います。開発は引き続き、和歌山大学システム工学部デザイン情報学科の吉野研究室と共同で行い、医療者や患者の立場から、現場で活用できるシステムの提案を行います。
事業予定
4月-9月 システム提案、企画
9月-1月 システム設計、開発
2月-3月 システム評価
開発したシステムや、システムを利用する病院・利用者が多くなるにつれ、定期的なメンテナンスや改善に多くの時間と労力が必要になってきました。こまめにメンテナンスをしたり、万が一修正すべき点が出たときには迅速な対応ができるよう、システムに反映させやすい形式でこれまで作成した用例を一括管理できるデータベースの構築をしたいと考えています。
事業予定
4-10月 データベースシステムの構築
10月〜 データベースの運用
これまで開発してきた「多言語医療支援システムM3」 の病院への販売、導入を進めていきたいと考えています。現在、M3はPC型(windows)とタブレット型(Android)でのシステムが完成し、病院ごとのカスタマイズ対応のできる体制も整いました。今年度はより多くの病院にシステムを導入してもらえるよう、広報を進めていきたいと考えています。
事業予定 通年(依頼を受けての設置)
昨年度完成した「ナースのためのぷち通訳」は今年度、京都大学医学部附属病院の協力を得て、試験導入を行います。また現在開発中のTackPad「科目問診」も現場での試験導入、評価を行う予定です。
事業予定 4月-9月 システム導入 9月-12月 システム評価
外国人居住者や訪日外国人が医療機関を利用する機会の増加が見込まれる中、独)情報通信研究機構(NICT)の協力の下、株)NECと奈良先端科学技術大学院大学が中心となり、医療現場で役立つ通訳支援端末の開発を目指す「知識・言語グリッドに基づくアジア医療交流支援システムの研究開発」を行っています。本事業は3カ年の事業で本年度は2年目になります。センターは医療用例の収集と外国人医療検診モニターのアレンジを担当する予定です。
事業予定 通年
公立甲賀病院、済生会滋賀県病院、長浜赤十字病院の3病院が中心となり運営する「多言語医療ネットワーク協議会」の院内の多言語対応システム機器の整備を担当します。センターは2012年度はナースのためのぷち通訳、道案内システム、電話通訳システム導入を行います。
事業予定
4月 多言語医療受付支援システムのフォロー
4月-9月 病院のネットワーク環境の構築
4月-9月 道案内システム、ナースのためのぷち通訳の開発
4月-5月 電話通訳システムの開発
10月-12月 道案内、ナースのためのぷち通訳、電話通訳システムの導入
公的な文章や情報の多言語化はまず、英語で行われることが多いですが、日本語の難しいの用語や表現をそのまま訳出しているものも多く、せっかくの翻訳も読み手にとって理解しにくい内容になっています。より多くの人が理解し、情報にアクセスできるよう、できるだけ平易なことばで翻訳する翻訳を「ユニバーサル翻訳」と名付け、翻訳事業の一つのプロジェクトとして行っています。
本システムは、できるだけ専門用語を使わずにシンプルな英単語に表記することができるよう、翻訳者をフォローするシステムです。昨年度開発したシステムですが、ユニバーサル翻訳の利点や活用方法などを理解・促進するために、ユーザが体験できるチェックシステムを構築し、ユニバーサル翻訳のよさをもっと理解してもらいたいと考えています。
担当:企画事業部 重野 高嶋 前田
財源:滋賀県多言語医療通訳ネットワーク委託、株)NEC委託、自主事業