現在、多文化共生センターきょうとではさまざまな機関や研究者と共に、「多言語医療受付支援システムM3」「医療対訳用例収集システムtackpad」の2つのIT技術を利用し
たシステムを開発しています。その中で、主にはコーディネイト業務を担当しています。内容としては、プログラムを組み、システムを作る研究者と、医療現 場、日本語のサポートを必要とする外国人のニーズをつなぎ、実際に利用者となる医療者や外国人のニーズをより具体的なものとするための調査、実験、提案などを行っています
2010年に向けて
2005年から取り組んでいるICTを活用した多言語医療支援システムの研究で研究開発している多言語医療受付支援システム(M3)は研究開発段階を経て運用段階に移行しており、運用に際して新たに多文化共生センターと和歌山大学と共に「「外国人のための医療支援システム研究会」を再組織し研究会より多言語医療受付支援システムのサービスの提供を開始します。
今後医療機関の設置に際しては利用料、システムメンテナンス等、カスタマイズに掛かる経費については有償サービスとして実施します。
ま た多文化共生センターのM3に関わる体制を強化していきたいと考えています。現行システムの広報、普及と新規開発の2つのチームに分けて本年度は事業を展
開していきたい考えています。これまでは総務省の研究費等で研究開発を進めてきましたが、本年度は研究費の確保が難しい状況になっています、引き続き研究 費用の確保を行うとともに、システムの運用によって事業資金の一部確保ができるよう目指したいと思います。
多言語医療用例収集システム(TackPad)はほぼシステムの基盤がそろってきましたが、まだ未搭載機能もあり本年度中には未搭載部分の搭載、ボランティアによる本格運営を進めていきます。本年度は新たにスタッフを置きにぎわいにつなげるプロジェクトを進めていきたいと考えています。
目的
医療現場の「ことばの壁」をなくそうとコンピューターを利用した多言語医療受付支援システムM3(エムキューブ)を開発しています。このシステムはコンピューターを使い、5言語(中・英・ポルトガル・ハングル・日本語)で、現場の外国人患者様と医療者のコミュニケーションをサポートすること目的としています。日本語を話すことができなくても、
母国語での受付手続きや院内のナビゲーションを受ける事ができます。現在は、日本語・英語・中国語・ポルトガル語・韓国語に対応しています。
内容
◆東京大学医学部付属病院へのM3の導入(〜8月頃)
M3の実証実験として、東大病院への導入が決まりました。京都市立病院、京大病院、聖ルカ国際病院、洛和会音羽病院に続く、5つ目の病院です。システム導入フローが少しずつできてきているため、最後の実証実験病院としてスピード感を持って進めていきたいと思っています。
◆M3有料化の契約締結(〜6月頃)
これまで実験に協力いただいた上記4病院も、協力期間が修了し、今後は有料でのシステム提供となります。そのための新たな契約を進めます。また、昨年度料金や規約等の準備は充分にできたため、新規でM3の導入を行う病院の開拓も力を入れて取り組みたいと思っています。
◆新機能の開発(〜12月頃)
M3にインターネット電話をのせ、M3を通じて電話通訳を行う実験をしたいと考えています。ATM、切符券売機、身の回りにあるいろいろな機械も、通常は機械の操作で作業は完結しますが、完結できない場合はコールセンターなどに電話がつながります。それと同じように、M3で完結しない項目については、電話で対応できるような仕組みの開発を考えています。また、この電話を通じて、次のM3のシステム開発に活かしていきたいと思っています。
◆新規機能の検討(〜12月頃)
WEBブラウザを使った問診機能の利用、医療観光を想定したM3の利用等、M3の新たな利用方法を提案できるような機能の検討を考えています。
実施体制:前田 中本 事務局
協働:和歌山大学(宮部 吉野) 予算:大阪コミュニティ財団 助成金
目的
医療に関する必要な多言語の辞書を、私たち自身で作り、共有していくサイトです。将来は国境を越えて、言語の異なる人たちが、このTACK PADを通じて互いに翻訳しあったり、質問しあったりできるサイトを目指しています。同じ問題意識や課題をもった人同士がこのサイトで出会い、交流できる場を提供したいと考えています。
目標:にぎわい機能の向上・用例の整理
内容
今年度は、tackpadに人の集まる仕掛けづくりに力を入れたいと考えています。サイトの機能や使い易さを向上させることも必要ですが、システムに頼らない形で、多文化にできる仕掛けを作りたいと思っています。
検索や用例の整理・翻訳の結びつきの部分など、システムで改善する必要のある部分については,早急に取り組みたいと思っています。
実施メンバー:事務局 ボランティア インターン
協働:和歌山大学(福島 吉野) 予算:自主事業