事業概要
グローバル化が進む現在、国境を越える人びとの移動はますます活発になりました。日本に住む外国人は220万人を超え、家族の呼び寄せや国際結婚などにより日本で妊娠・出産・子育てをする外国人の数も増えてきています。しかし、日本で妊娠・出産には「ことば」の壁はもちろん、慣習、価値観の違いや宗教など文化的な差異による混乱や戸惑いも多くあります。また妊娠から出産の間の妊娠届や母子手帳取得、外国人登録、各種支援制度、健診や予防接種は各機関を渡る手続きが必要で外国人にはわかりにくく、困難を感じている妊産婦は少なくありません。そこで外国人ママ一人ひとりに寄り添いながら、多面的なサポートを行う有償の通訳派遣事業を新たに開始します。
目的
前年度は医療通訳派遣のシステム整備に取り組んだが本年度は医療通訳派遣の試験的稼働を経て本格的な運用を行っていきたいと考えています。人材育成では医療通訳者(英語)のスキルアップと共に新たに中国語通訳者の育成、行政手続きでの翻訳サポートを行う翻訳者も育成し、対応サービス、言語の拡大を目指します。併せて外国人患者をさらに広くサポートできるよう、通訳派遣サービスの他にインターネット等を活用した相談、情報提供を行いたいと考えています。特にセンターで開発している多言語医療受付支援システム(M3)との連携を行い、インターネットでの多言語問診サービスなどの提供を目指します。
内容
・医療通訳派遣事業の試験運用-患者モニター利用(5人) 4月〜10月 26週前の妊婦
・英語通訳派遣 9月〜 月5件程度
・医療通訳者の養成(中国語等) 秋期〜 5名の養成
・医療通訳者のスキルアップ(英語) 夏期〜 現スタッフのスキルアップ研修
・行政翻訳者の養成(英語・中国語) 行政手続き書類等の翻訳 各5名程度 冬期〜
・webを活用した多言語相談、情報提供の実施 通年
・多言語問診のWEBサービス化(多言語医療支援システムとの連携)
実施体制:高嶋 河崎