概要当事業は、京都大学情報学研究科が主催する第1回「文化とコンピューティング国際会議」の1セッションとして「医療の多言語支援」と いうテーマで医療通訳制度を実施している「韓国・英国・米国・香港」の医療関係者,通訳者をインターネットを介して繋ぐ国際WEB会議、ICTを活用した多言語での支援事例を企業,行政,大学,NPOが報告しました。また、当日の様子はすべて、インターネットから生中継を行いました。
内容日時:2010年2月22日(月)10:00-17:30
会場:京都大学百周年時計台記念ホール
Session1 10:00-12:00
「医療通訳をつくりだす力ー英国・米国・韓国・香港・日本の医療通訳ー
発表者(敬称略)
英国:塩野さゆり (看護師・The National Hospital for Neurology Neurosuregly University College London Hospital Trust)
米国:斉藤美穂(医療通訳者) 香港:杉原慧蘭(看護師)
韓国:Lee Jeongnam(大韓民国保健福祉家族部 福祉人材開発院公認第1期医療通訳者)
日本:重野亜久里(多文化共生センターきょうと代表)
Session2 15:45-17:30「ICTを活用した多言語医療支援」
発表者(敬称略)
「医療現場の多言語支援ツールの開発」
ー多言語医療受付支援システムM3、多言語医療用例収集システムTackpadー
和歌山大学システム工学部 宮部麻衣 福島拓 吉野孝
「Language Grid Toolbox」
ー多言語コラボレーション支援のためのオープンソースソフトウェアー
独立行政法人情報通信研究機構言語グリッドプロジェクト 村上陽平
「看護や介護の仕事をする人たちを支援する–日本語でケアナビ」
国際交流基金関西国際センター日本語教育専門員 田中哲哉
「音声合成の技術で多言語支援」 株式会社エーアイ代表取締役 吉田大介
Spin Out Special Session webディスカッション
評価当イベントは、2005年度からICTを活用した多言語医療支援システムで協力関係にある京都大学情報学の声かけで、当研究科の主催する「文化とコンピューティング国際会議」の1セッションとして実施しました。
第1セッションではICTのシステムをつかって世界の医療通訳者をつなぎ、世界の医療通訳の今を知ることを目指して英国、米国、韓国、香港をつないだ国際web会議を行いました。機材の整備や設定が複雑な京都大学のインターネット環境、各国のインターネット環境の差りなど、問題も多く、何度か実験をくりかえし、ネット会議では最終的には比較的安定している「Skype」を、web中継ではドイツの「spread」というシステムを活用しました。
パネリストは時差の問題などがありましたが、参加会場への移動への負担や渡航費が不要であるということからパネリストの負担減、経費にも効果的な手法であるとように感じます。一方各国のシステム環境や事前打ち合わせの難しい点、通信がつながらなかった場合のバックや対処を考えなくてはいけない点で課題も多い手法であると感じます。
今回は平日開催ということもあり参加人数が少なかったですが、大変興味関心の強い参加者が多かったように思います。またスピンアウトセッションでは実際にSkypeとユビキチャット(収音・音声拡音機)を介してアメリカと韓国で活動している通訳者と日本の通訳者が直接ディスカッションしましたが、人数が少なかったため深い議論ができたました。インターネットを活用してこのようなディスカッションができることは今後活動や事業の可能性を多いに広げてくれました。
今回文化とコンピューティングというテーマに併せてインターネットを活用した国際会議を企画実施しましたが、今回だけでなく今後もこの会議手法は多いに活用できると考えています。インターネットの場所を選ばないという点を多いに活用し、海外の団体や個人との交流深めていきたいと考えています。
実施体制:企画 重野
システム 宮部 福島 前田
司会 高嶋
誘導記録 福元 中本
財源:自主事業
報告:重野