本年度は京都府の緊急雇用対策事業「企業等・NPOからの提案型事業」にコミュニティビジネスとしての医療通訳派遣事業を申請し、採択されたため、新たに(男性2名、女性2 名)の4名のスタッフを雇用しました。
これまでセンターは大学のインターンシップやボランティアからの採用でしたが、広く職員を募集し、新卒1名、社会人3名を採用しました。(京都府の採択がずれ込んだため9月からの採用となりました)2名には実際に外国人ママのための医療通訳の事業コーディネイターとして企画、運営に関わってもらいスパーバイザーが入りながらOJT形式での育成を行いました。
今回4名の採用のうち、次年度継続的にかかわ るスタッフは1名のみとなり、新たに4月から採用を行いました。採用をふりかえって4 名中3名が退職したことをうけ、職員の採用基準の見直し、職員の育成、フォロー体制に改善すべき点があると考えていま す。
丁寧なスパーバイズをしながらゆっくりと養成していく形 が理想ではありますが、育成専門のスタッフを置くことは非常に困難です。今回の採用でも、職員は従来の業務をこなし ながらスパーバイズを行わなければならず、スタッフに大きな負担を強いることになってしまいました。今回の採用では初めての公募ということもあり採用時のミスマッチが原因であると分析しています。こ
れまでセンターではボランティアやインターシップを経て、職員として採用するかたちが多かったのですが、今回緊急雇用事業の関係で募集期限が決め られていることもあり、採用に時間をかけることができませんでした。募集ではwebはもちろん、ハローワークや人材バン ク等広く職員の募集を行いました。
今後の採用にあたってはスキルや経験はもちろんですが、NPOのミッションや思いの部分を共有できることが最も重要ではないかと考えており、採 用後はモチベーションをつくる(維持や高めるのではなく)コーディネイトも必要であると感じました。
◆職員採用時の見直し点
・多文化共生センターのミッションの共有とNPOセクターで働くことについて説明と確認を行う・多文化共生センターがもとめる人材像についての見直し(企 画やコーディネイト経験などを重視) -- 多文化共生センターに対して自分ができること、したいことを明確 に持っていること・4月採用に併せての募集の実施
◆ ミスマッチの対応
・業務確 認とフォローの強化・相談しやすい環境と体制づくり
・試用期間の設置・就業規則の設定
◆ センターの育成や業務に関する方向性や方法の見直し
・セン ターの業務の明確化
--業務内容の明確化
--個別項目に対する達成目標の設定
--項目ごとの事業スケジュール
・中間評価の導入
・事業進捗管理とフォローの強化
09年度の採用 の反省によってセ ンターの業務の見直しと実施体制の見直しをおこなうことができたと感じています。この教訓を生かし、次年度の人材育成を行っていきたいと考えています。